プロジェクトをけん引できる人物になりたい。研鑽を続ける若きエンジニアが見据える未来
出前館のプロダクト本部 マーチャント部は、加盟店向けのシステムを開発・運用するグループ。出前館の事業を支える重要な役割を担っています。2021年4月に出前館へと新卒入社し、この部署のマーチャント連携開発グループで活躍するのがイ・ジユル。今回は出前館に入社した経緯や担当したプロジェクト、今後の目標などをインタビューしました。
フードデリバリー業界に将来性を感じた
ジユルさんの担当されている業務について教えてください。
私はプロダクト本部 マーチャント部 マーチャント連携開発グループに所属しており、そのなかの1つのチームのサブリーダーを務めています。プロジェクトの立ち上げからリリースまでの一連の流れを担っているのに加えて、既存システムの保守運用や障害発生時の対応などを行っています。
「出前館」には、アプリで商品を注文するお客さま、配達員、加盟店という3種類のエンドユーザーがおり、マーチャント部は加盟店向けのシステムを作っています。マーチャント連携開発グループが主に担当するのは、「出前館」アプリのお客さまから入った注文を加盟店に連携する機能です。それに加えて、店舗詳細や営業時間、メニューの情報などを加盟店から受け付けて、「出前館」アプリに表示する機能も扱っています。
ジユルさんはなぜ、就職先の企業として出前館を選んだのですか?
私は学生時代からものづくりが好きで、大学時代にはUI/UXデザイナーのアルバイト・インターンをしていました。その仕事では、エンジニアと会話をする機会もたくさんあったんです。デザインも好きですが、エンジニアの仕事により強い魅力を感じるようになりました。ソフトウェア開発を通じて、人々の役に立つものを作り、社会に貢献したいと思ったんです。そこで、就職活動では未経験からエンジニアになれる会社を探しました。
出前館に関連するエピソードとして、私の出身地である韓国では昔からフードデリバリーが流行っていました。フードデリバリーのアプリが普及していない時代から、電話で出前を頼めば、どんな飲食店でも料理を配達してくれるくらいにフードデリバリーの文化が浸透していたんです。コロナ禍になる少し前からはフードデリバリーのアプリもどんどん普及し、コロナ禍後はその勢いがさらに加速しました。
日本でも、コロナ禍でフードデリバリーが普及しましたよね。今後、世界的にフードデリバリー業界が成長していくのは間違いないと感じました。そのため、出前館の事業が拡大していくなかで自分もさまざまな経験ができると思い、入社を決めました。
プロジェクトをリードする立場を経験し、多くの学びがあった
出前館で経験したプロジェクトのなかで、特に印象に残るものはありますか?
2023年3月から担当した、「出前館」デベロッパーサイトの改善です。デベロッパーサイトとは、加盟店向けに提供しているAPI連携の情報を公開しているサイトになります。もともと、デベロッパーサイトではAPI仕様書をPDFでダウンロードできるように公開していたんですが、このプロジェクトではウェブサイトとして公開することを目指しました。また、それと並行してAPIの新機能も追加しました。
このプロジェクトでは、初めてプロジェクトマネジメントも務め、要件定義からリリースに至るまですべての工程に携わりました。開発業務だけではなく、プロジェクトに関わるステークホルダーとの調整からプロジェクトのスケジューリング、リスク管理なども行ったんです。苦労はしたものの、学びの大きいプロジェクトでした。
プロジェクトをリードする立場を初めて経験して、気づいたことはありますか?
最も印象的なのは、ステークホルダーとコミュニケーションを取ることの大変さでした。自分と違う職種の人たちと、システムについての会話をして、相手との認識を合わせられるようにしなければならなかったためです。最初は、知見がなくて苦戦していました。
その経験を通じて「論理的にものごとを説明する力」を身に付けなければならないと感じました。そのスキルがなければ、自分は「伝えたつもり」になってしまい、認識の齟齬が起きる可能性が高くなってしまいます。そのスキルを身に付けるために、当時はロジカルシンキングの本をよく読んでいました。そこから学んだ知識を業務に適用してみたところ、前よりは各ステークホルダーとのコミュニケーションがスムーズにできるようになったと思います。
そして、プロジェクトを通してマネジメントスキルを習得できたのが、自分にとっては大きかったです。このプロジェクトが始まる前に、プロジェクトマネジメントの知識体系であるPMBOK( Project Management Body Of Knowledge )の本を読んで、座学として知識を学んだうえで、実際のプロジェクトを通じて自分のスキルとして定着させていきました。またデベロッパーサイトを公開することで、加盟店とコミュニケーションを取っているチームと加盟店それぞれの業務を改善できたのではないかと思います。
失敗を通して学んだ、自分の改善すべき点
他のプロジェクト事例についても教えてください。
今携わっているプロジェクトは自分にとっての反省点がかなり多いです。注文変更や注文キャンセルを行うシステムをオンプレミスからクラウドへと移行するもので、これに伴ってソースコードも全体的に刷新します。私のプロジェクトマネジメントスキルやエンジニアとしてのスキルが不足しており、思ったように進められていないと感じています。
具体的には、どのような点に難しさを感じていますか?
かなり昔に作られた機能のため、加盟店ごとに提供している仕様が違っており、システムとしての統一感がない点です。そのため、各加盟店と調整を進めつつ開発していくのが重要なのですが、私はそういった作業に慣れておらず苦労しています。
プロジェクトを通じて感じた自分の課題は2つあります。まずは、加盟店とのコミュニケーションです。たとえば、加盟店の方々に質問をした際に、思っていた回答が返ってこないといったケースがあります。そんなときには相手目線にたち、伝わるまで説明をして、より良い回答を引き出せるように丁寧にコミュニケーションすることが重要だと感じました。
次に、プロジェクトの立ち上げやスケジュール策定、見積もり提示などの際に、自分の持っている情報だけではなく、チームメンバーを始めステークホルダーとも情報交換をして、必要な情報を集めることです。
今回のプロジェクトでは、最初に私1人でいろいろな調査をして方針を決めました。しかし、プロジェクトが進むにつれて想定と乖離があることに気づいたんです。事前に他の人から情報を入手できていれば、防げるミスでした。今後は、周りをきちんと巻き込んで仕事をしていくことを徹底したいです。それが、プロジェクトのより良い成果をもたらすと感じました。
出前館はたくさんの挑戦機会がある環境
ここまでのエピソードのなかで、書籍などを通じていろいろなこと学習されているのが印象に残りました。かなり勉強熱心なタイプですよね。
私は好奇心が旺盛な人間で、何か少しでも気になったら「もっと知りたい」といてもたってもいられなくなってしまいます。エンジニアの仕事ではさまざまな概念や技術が目まぐるしく登場しますので、そうした知識を身に付けられていない自分が嫌で、プライベートな時間を利用してさまざまな勉強をしていきました。
出前館に入社してから今まで行ってきた勉強を教えてください。
1年目はわからないことだらけだったので、まずは業務のなかで登場した用語を徹底的に調べて、復習することから始めました。ある程度の知識が身に付いた後には、オンライン講座を利用してエンジニアのスキルを磨いていきました。座学で一通りの知識をインプットし、実務に適用していくことをくり返して、エンジニアとしてスキルアップできました。それ以外にも、自分が習得した知識を活かして趣味でアプリケーション開発をするといったことにも取り組みました。
2023年からはプロジェクトマネジメントのスキルを高めるために、PMBOKに関する本や、プロジェクトマネジメントについてのWeb記事などを読んだり、マネージャーに1on1で質問する機会を設けて業務のノウハウを教わったりしていきました。
私は将来的に、プロジェクトマネージャーとしてキャリアを歩んでいきたいと考えています。プロダクト本部 本部長の神保宏和さんのようなスキルを身に付けたいんですよ。尊敬できる上司を目標に自身のキャリアを考える機会ができて本当に嬉しく思っています。 出前館では私のような若いメンバーであっても、大きな裁量を与えてくれて、難易度の高いチャレンジをさせてくれます。そのおかげで、自発的に学んでいた知識を実際のプロジェクトに活かす機会が数多くあり、自分の掲げている目標に少しずつ近づいているという実感が持てています。
神保さんのどのような部分が優れていると感じるのですか?
神保さんは、広い視野を持ち、プロジェクト開始前の段階から複数のステークホルダーと適切にコミュニケーションを取っています。そして必要な情報を入手し、プロジェクトを円滑に進行していきます。私も神保さんのように、コミュニケーションスキルの優れたマネージャーになり、事業やサービス全体に貢献できる人になりたい。そして、もちろんエンジニアとしてのスキルも向上させて、社会に貢献できるようなもの作りをしていきたいです。
どのようなスキルやマインドの人と、出前館で一緒に働きたいですか?
エンジニアは開発を行ううえで、多種多様なスキルを身に付けることが要求されます。そのなかでも特に大事なのは、責任感を持って仕事に臨むことと、周囲の人々と丁寧に粘り強くコミュニケーションしていくこと。それができる人、したいと思える方々にはぜひ出前館に入っていただき、一緒に楽しく仕事をしていきたいです。