JJUG CCC 2025 Springに登壇しました!

image-2025-6-10_14-26-15.png

はじめに

こんにちは。株式会社出前館プロダクト本部でサーバーサイドエンジニアをしている石井と申します。

今回、2025年6月7日(土)に開催されたJJUG CCC 2025 Springに株式会社出前館のスポンサー枠として登壇してきたので、その詳細についてお伝えしようと思います。

目次

JJUG CCCとは

JJUG CCCは日本最大のJavaコミュニティイベントです。Java関連の技術や事例に関する良質なセッションが行われ、また異なる分野で活躍するJava技術者が一堂に会する場ともなっています。

(公式サイトより引用:https://ccc2025spring.java-users.jp/)

JJUG CCCはSpringとFallの年2回開催されており、今回の事前登録者数は1000人を超えるという、まさしく日本最大級の規模でした。

image-2025-6-10_14-46-41.png

イベントの様子

会場の空気

今回会場となったベルサール新宿グランドでは多数の企業がブース出展などをしており、多くの参加者で賑わっていました。

image-2025-6-10_14-28-16.png

(↑スポンサー企業のボード。ここで記念撮影をされてる方も多くいらっしゃいました)

出前館もブースを出展し、多くの方にご来場いただきました。お越しいただいたみなさま、ありがとうございました。

image-2025-6-10_14-57-3.png

image-2025-6-10_19-14-40.png

(ブースではセッション登壇の告知チョコ(通称:多美雄チョコ)を用意していただきました。もし何かあったらこれで出馬します!笑)

image-2025-6-10_19-13-34.png

(今回は「AIツール」をテーマとしたアンケートも実施しました。多くの方が業務でAIを活用されており、人気ツールはやはりChat GPTでした!)

ブースの詳細については出前館の公式noteの方でもアップしておりますので、よろしければご覧ください!

https://note.com/demae_can/n/n9fa8caeae39d

石井が聞いたセッションの内容

今回私は参加者としてもいくつかのセッションを聞いてきたので、それらの感想についてここに記載しておきます。

(個人的にはJavaやJVMについて客観的に見つめ直すことができたり、一部界隈でホットな関数型プログラミングのノウハウについてキャッチアップできたので大満足な感じでした)

  • Java, Go, Rustのメモリ管理手法の比較 / Wada Takamichi
    • Java, Go, Rustそれぞれメモリ管理の仕組みが特徴的で、JavaからRustにかけてプログラマがメモリ管理に介在する率が高くなっていく所が興味深かったです
    • Java(というかJVM)が一番メモリ管理が自動化されていますが、逆にそれを理解することが効率よくメモリを運用する上でのポイントかと思いました
  • Java's OOM and Kubernetes' OOM - 遭遇した2つのOOMと対策 ~ Launchableでの事例 ~ / Konboi
    • 上記ともちょっと繋がりますが、JavaとKubernetesのメモリ管理に関するセッションでした
    • Javaのメモリ領域はヒープだけではなくノンヒープなども含めて構成されるので、それを踏まえてメモリ上限を設定することで、k8sのrequestとlimitsと上手く噛み合わせて運用できるといったお話でした
  • Javaに鉄道指向プログラミング(Railway Oriented Programming)のエッセンスを取り入れる / 岡本拓実 Takumi Okamoto
    • Javaで鉄道指向プログラミングの考え方を取り入れて、例外ハンドリング含めたユースケースを関数型の形で記述するといったお話でした
    • 手続き型とは違った趣があり、一度慣れてしまえばこちらの方がより厳格かつスッキリとビジネスロジックを表現できそうな印象を受けました
  • Javaで学ぶ代数的データ型 / Kanon
    • 代数的データ型という関数型プログラミングの概念をわかりやすく捉え、それについて実装のサンプルつきで紹介されていました
    • ビジネスロジックにおけるデータのパターンや状態を厳密に定義し、クラスやメソッドとして表現することでより堅い実装を実現し、可読性の向上や不具合の防止が期待できそうに思いました

他にも魅力的なセッションがたくさんあり、SNSでは「体が分身しないと全部聞き切れない」という嬉しい悲鳴が上がっているのをよく目にしました。

魅力的なのは登壇者だけではなく、参加者からの質問に対して登壇者が頭を悩ませた際も「(私)答えを知っていますよ」「(何も追加しなくても)標準のJavaのライブラリでできます!」というJava有識者がチラホラみられ、Javaコミュニティの懐の深さを感じることができました。

登壇内容と登壇してみた感想

登壇内容について(これならできる!Kotlin・Spring・DDDを活用したAll in oneのマイクロサービス開発術)

今回私は、直近出前館の現場で新規構築を行なった出前館の広告サービス(=広告ドメインのマイクロサービス)の開発を通して得られた知見について共有させていただきました。

セッションはKotlinやSpring Frameworkの経験がある中級者を対象としており、実装だけでなく、設計やテスト、監視なども含めた包括的な内容について取り上げました。

(以下が発表資料です。あれもこれもと詰め込んだ結果少々ボリューミーになってしまいました)

https://speakerdeck.com/demaecan/korenaradekiru-kotlinspringdddwohuo-yong-sitaall-in-onenomaikurosabisukai-fa-shu-35884f50-f79a-4fba-9349-8a44ef177d4b

事例として取り上げた出前館の広告サービスの詳細については下記も併せてご覧いただければと思います。

https://recruit.demae-can.co.jp/engineer-recruitment/work/4/

登壇の動機、背景

そんな今回の私の発表ですが、実は下記のような裏テーマがありました。

  1. 具体的な経験談を通して、アーキテクチャ設計に関する思考のプロセスを共有したい
  2. ただ知見を共有するだけでなく、セッションを聞いた人の感情に何かしら良い影響を与えたい(=心に響くものを作りたい)

1については前日譚がありまして、以前社内の勉強会にて関数型ドメインモデリングの輪読を行なっていた時、「DDDの例としてイメージするサンプルのドメインやビジネス領域が人によって違うので、イマイチ説明が入ってこない」といった声がありました。

たしかにDDDのノウハウは巷に溢れていますが、その実践例を思考のプロセス付きで紹介しているケースはそこまで多くないのかもとその時気づきました。

加えて、セッションでは「ソフトウェアアーキテクチャのすべてはトレードオフである」という言葉を引用していますが、これも要件の具体例を元にどういった取捨選択を行なったか?がないとイメージしづらいのかなと思います。

これらを踏まえ、今回は敢えて経験談のような形で「設計や思考のプロセス」という結果以外の部分をセッションの内容に含め、それぞれが考えたり疑ったりできるような形に仕上げてみました。

2については、私が日頃勉強会やLT会などに参加していて感じたことがベースになっています。

何かを実現する方法や結果など「答え」が知りたい時は技術ブログなどを参考にすればよいですし、2025年である今では生成AIに尋ねるだけでそれが得られるようになってきています。

ただ、スピーカーの熱量を感じたり、会場のみんなと感情を共有したり、発表を聞いてモチベーションが湧いたりといった経験はこういったイベントならではだと思っています。

そういった想いを込めて、セッションのタイトルに「これならできる!」という言葉を含めたり、80ページ近い大作スライドをこさえたりして、みなさんの感情に少しでも届くような発表にしようと考えました。

image-2025-6-10_19-11-55.png

登壇を通して得られたもの

まずは、今回の題材である出前館の広告サービスのアーキテクチャ設計や実装において「自分がどのようにトレードオフに向き合ってきたか」を整理していく中で、さまざまなアーキテクチャ特性に対する自分自身のアプローチを言語化・再認識できたので、自らのエンジニアリングについて見つめ直す良い機会となりました。

また、シンプルに人間的に成長できた気がします。今回のような「大勢の大人の前で1人で長時間話す(40分以上)」という経験は、社会人であればありそうですが意外となく、積めば積むほど何かしら成長が得られそうだという実感がありました。

登壇というのは、限られた時間の中で人に何かを伝え、価値提供をするということであり、それを通して人や世の中に対する想像力や本質を問う思考力、それらを伝える表現力・プレゼン力が培われるのだと思います。

(私の場合ですと、今回いかに熱っぽく/いかに響くように伝えるかという喋りのトーンや伝え方の部分に関して意識させられる所がありました)

おわりに

以上、JJUG CCC 2025 Springの登壇内容についてお伝えさせていただきました。

こういったカンファレンスに参加すること自体は今回が初めてではなく、これまで参加者としてさまざまな方の発表を聞いてきましたが、実際登壇してみて感じたのはその体験の濃さと予想以上の収穫でした。

発表までのプロセスや当日の高揚感、発表直前の緊張感ややってみての振り返りなど、一参加者としては得られない解像度でそれらを体験することができ、充実した時間を過ごすことができました。

また、今回の出前館のようにブース出展もある場合、社内で参加者を募ってブース内容を決め、準備するなどみんなで作り上げるイベント感がある意味文化祭のようで、ちょっとエモかったです。

みなさんも自らの技術アウトプットについて解像度をひとつ上げてみませんか?また、エンジニアと作り上げる青春を一緒に体験してみませんか?

この記事を通して登壇やカンファレンスの魅力について感じてもらえたら幸いです。

JJUG アフターパーティのお知らせ

2025年6月25日(水)、ウェルスナビ株式会社さんおよび株式会社エス・エム・エスさんと合同でJJUG CCC 2025 Springの非公式アフターパーティー開催予定となっております。

JJUG CCCに行きそびれてしまった方や熱が冷め切らずJJUGロスになっている方(主に私ですが笑)、その他多くの方に楽しめるようなコンテンツを用意しておりますので、ぜひチェックしてみてください!

(出前館からはサーバーサイドエンジニアの廣田さんが登壇予定となっております!)

https://wealthnavi.connpass.com/event/358196/

インタビュー 企画 採用

前へ

使いやすさを担保しながら広告収入の最大化は可能か?