データの向こう側に顧客が見える。出前館を支えるデータアナリストの業務とは

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情報技術の進化とともに、膨大なデータが日々生成され、その価値はますます高まっています。しかし、データはただそこにあるだけでは価値を発揮しません。データの真の価値は、それを分析し、洞察を引き出し、意思決定に活用することによって初めて顕在化します。そこで重要な役割を果たすのがデータアナリストです。

データドリブンに事業を推進する出前館においても、データアナリストは活躍しています。プロダクト本部 コンシューマ部 コンシューマ企画グループのデータアナリストである喜多村泰士に、入社の経緯や過去に担当したプロジェクト、仕事の面白さなどを聞きました。

目次

データアナリストの業務に専念したくて出前館へ

まずは出前館への入社の経緯を聞きたいです。

昔から数字を扱うことがすごく好きで、大学院では統計学を学んでいました。新卒では宿泊予約システムを扱う会社でエンジニアとして働きました。その後は中古車予約サービスを扱う会社へ転職し、プロダクト開発とデータ分析の業務をどちらも担当しました。しばらく働くうちに「データアナリストの仕事に専念したい」という思いが強くなったため、新たな環境に移ることにしました。

転職先を選ぶうえで大切にしていたのは、大量のデータを持っていることと、データ分析を重視していることに加えて、自分が使ったことのあるプロダクトであることです。出前館はそれらすべての条件に当てはまっており、採用面接を受けてみようと思いました。

採用面接で印象に残っていることはありますか?

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1次面接で、企画職の方に私のこれまでの仕事についてかなり深掘りされたことです。単に担当したタスクをヒアリングするだけではなく、「どうしてその判断をしましたか?」とか「どのような道筋でその判断にたどり着きましたか?」といったことを詳細に聞かれました。「この会社は、データをかなり大切にして意思決定をしているんだな」と実感できましたね。

データを活用してコンシューマー向けの企画に役立てる

喜多村さんが所属するコンシューマ企画グループは、何を担っていますか?

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出前館が開発・運用するシステムは、主に加盟店用とドライバー用、コンシューマー用という3種類があります。そのうち、コンシューマーが使う機能についての企画・立案をするグループです。

このグループで、データアナリストはどのような仕事をしているのでしょうか?

数値に関することであれば基本的に何でも対応するのですが、大きく分けると企画担当者から作業の依頼が来る仕事、作業の詳細は決まっていないけれど企画担当者から相談が来て調査を行う仕事、そしてアナリストが自主的に提案して動く仕事という3パターンがあります。

1つ目のパターンでは、たとえば企画担当者から「こういうユーザーの動きがわかるようなデータを取得・集計してほしい」といった依頼が来ます。そのデータをまだ取得できていないならばサービス内にタグを仕込んだり、取得できているならば集計を行ったりして、表やグラフにまとめていきます。

2つ目のパターンは、企画担当者が実現したいことはあるものの何のデータを見るべきかがまだ決まっていないような状況で、それに対して「こういうデータを見てはどうでしょうか」と提案します。3つ目のパターンでは、プロダクトについてのミーティングなどで、自分自身で情報を取りまとめて分析結果を報告します。

出前館が事業を推進するにあたり、データアナリストはどれほど重要だと思われますか?

何かの意思決定を行う場合、実態に即したデータをもとにして客観的・中立的に物事を判断するための情報源を作る役割として、データアナリストは重要だと思っています。人の考えはどうしても主観的になりがちなのですが、正確な数値を見ると自分の思い込みとは違った実態が見えてくることがあります。そういった、仮説と実態の違いがデータから見えてきたときは面白いですし、きちんとデータ分析をしてよかったと実感する瞬間ですね。

ランキングロジックの刷新

これまで担当されたプロジェクトの事例についてお話しください。

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まず、ランキングロジックの修正が挙げられます。「出前館」アプリでは、トップページの下部に店舗の一覧が表示されています。この並び順をより適切なものに変えるために、タスクフォースが結成されました。

前提条件として、この並び順は店舗もドライバーもコンシューマーも、そして出前館にとっても全員に利点がある順序に変える必要があります。ですが、従来のランキングロジックでは売上金額が大きな判断基準になっていたため、同じ店舗ばかりが上位に来やすいという特徴がありました。

セレンディピティ(思いもよらなかった偶然の出会い)をユーザーにもたらすとか、売り上げの総額が少なくてもおいしい飲食店にもっと露出してもらうには、違うロジックのほうが望ましいです。そこで、ロジックの見直しをかけることになりました。

このプロジェクトにおいて、喜多村さんはどのような役割を担いましたか?

このプロジェクトは企画担当者の相談から始まっており、開始段階では「ランキングロジックを変えようにも、そもそも何の指標を重視したらいいかわからない」という状態でした。そこで、データを見て方針を決めていくことになりました。

調査した結果、仮に売上総額が少ない店であってもコンシューマーから人気のある店であれば、コンバージョン率やクリック率などの数字は高いことが見えてきました。そこで、これらの数値を評価指標に組み込んで、ランキングロジックを変更することにしました。

この変更により、コンシューマーはこれまで知らなかった名店に出会える確率が高くなりますし、おいしい料理を出している店舗はさらに売り上げが伸びていきます。コンシューマーの方々がリピーターになってくれれば、店舗にもドライバーにもプラスになります。そして表示される店舗に多様性が生まれたため、「出前館」のサービスとしての魅力も向上しました。

「出前館」の全体像を各種数値で可視化

他の事例はありますか?

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出前館社内には事業全体のKPIについて設計・管理するマネージャーがいて、その方と一緒に「どういった指標を追っていくべきか」について検討したプロジェクトがありました。それまでのプロジェクトでは「ランキングに関する指標だけ」とか「注文履歴に関する指標だけ」といったように、改善したい箇所に限定して分析するようなケースが多かったです。

しかし、このプロジェクトでは「出前館」というプロダクト全体として、どのような数値になっているのかをより網羅的に可視化していく方針になりました。具体的には、「出前館」には検索やランキング、注文履歴などさまざまなモジュールがあるわけですが、どのような流れでユーザーのセッションが増加・減衰し、どのモジュールで最も効果的にコンバージョンを出せているのかといったことを、ファネル図などを用いて可視化しました。

これはあくまでKPIについてのディスカッションの過程で生まれたアウトプットではあったのですが、プロダクトの全体像を把握するうえで役に立つということで複数部署の方々から見てもらえたり、ダッシュボード化してほしいという依頼を受けたりしました。KPI策定のプロジェクトそのものは現在も続いていますが、プロダクトを横断して数値をまとめることで、いろいろな人が見て施策に役立ててもらえることは実現できたと思っています。

データアナリストとして工夫したポイントがあればお聞きしたいです。

こうしたデータをまとめる際に、単に情報を集計・分析するだけではなく、企画担当者や意思決定者がわかりやすいように作っていくことです。仮にどれだけ良質なデータを扱っていたとしても、掲載している情報が新規性のあるものでも、わかりづらければ施策に取り入れられなかったり、判断材料にされなかったりします。だからこそ私は、なるべく資料を複雑にせず、直感的にわかるように作ることをポイントにしています。

ありがたいことに、私の知らないうちに他の企画担当者がそうしたデータを利用して企画を考えてくれているケースがあるようです。プロジェクト進行のために副次的に作った資料がいろいろな方の判断材料になっているというのは、データアナリストとして非常にうれしいことですね。

出前館は社員全員がデータを大切にしている

データアナリストにとって、出前館の環境のどのような点が魅力的でしょうか?

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出前館は社員のみんながデータを大切にしていますし、会社で働いている人も優秀な方々ばかりです。裁量も大きいですし、かつ自分自身の仕事や判断したことを尊重してもらえる環境だと感じています。

喜多村さんの今後の目標も教えてください。

数値をうまく活用してプロダクトを成長させていきたいです。より具体的な話をすると、各種の施策やプロダクトの成長において「何の指標を追うべきなのか」「どのような方法でその数値を計測すべきなのか」といった情報をデータアナリストが調査・発案したうえで、企画者がその指標や数値を起点に企画を立ち上げて、最終的にプロダクトの成長につながればいいなと思いますね。

それでは最後に、これから出前館のデータアナリスト職を受ける人たちに向けて、メッセージをお願いします。

データを見ることが好きな方であれば、絶対に楽しめる環境です。挑戦できることの幅は広いですから、いろいろなことに手を伸ばして、仕事を楽しんでいただけたらと思います。

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